現代語訳 学問のすすめ (ちくま新書)

  • 筑摩書房 (2009年2月9日発売)
4.10
  • (662)
  • (614)
  • (342)
  • (50)
  • (18)
本棚登録 : 7508
感想 : 672
5

日本国民に対して危機感を伝える本書。
特に国民の学問の程度を嘆いている。
あれこれ文句を言う前にまず勉強せよとのこと。
その人の職の苦労を知らずに主観で語るなと。

また、政府と国民の関係を良好に運ぶために我々がすべきことが書かれている。
結論を言ってしまうと、学問をし、知識や見聞を広め、一般常識や教養を身につけなさいとのことだ。

非現実的な例だったが、悪い政府に対しては自分とその子ども、さらにその先の子孫を通じて改善されるまで抗議しろと。彼の気概が感じられて良い。
そして、国民との約束を守る良い政府であるなら、素直に従い、面倒を起こさないことが平生だということだ。
これに関しては、良い政治を行い国民を正しい方向に導くならば、我々も従順な態度を示し政府に付き従うだろう。
しかし、官僚の不祥事が続く昨今では、我々は政府に対する不安を拭うことは到底出来ない。

不安という感情は人を懐疑的にさせる。この時の心理状態は非常に不安定で、そう易々とその政府が安全地帯と称した場所には怖くて動けない。
いや、道が分からないからなのかもしれない。
その時点で政府はまず国民を安心させることが先決であるように思う。

政府に対し、国民は全て批判し忌み嫌っているわけではない。そこは誤解しないで頂きたい。
だが、政府側の手段が判然とせず、不要な誤解を招き、導き方が強引なだけだと信じていいのか。
我々が危険地帯に癒着し続けているならば、安全地帯までのプロセスを明確にし、示し導くのが筋ではないか。今のままでは国民は対岸に渡れぬまま犬死にするようなものだ。


前述していたのだが、政府に対して私観で語ってしまい申し訳ない。
だが、私の意見を言語化し表現するには必要なことだった。気分を害された方、ご了承願いたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月24日
読了日 : 2024年2月23日
本棚登録日 : 2024年2月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする