世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)
- 光文社 (2017年7月19日発売)
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パブリック・スピーカー(?)である山口周さんの本。
エリートでもグローバル企業の幹部でも会社の経営者でもない私には、本書の取っ掛りから自分にはこの本は向いていないかも、と思いました。
けれどまずは結論から述べられている読みやすさに加え、ウォークマンの製品化のエピソードやスティーブ・ジョブズ氏のiMacの5色のカラーでの販売の意思決定、そのような「論理」と「直感」のバランス、アートとサイエンスのバランスがいかに大切かということをとても分かりやすく解説してありました。
そして、リーダーシップにおける言葉の力の大切さについても述べられていて、その力はまさにアート、即ち文学や詩によって育まれることも非常に納得でき興味深かったです。
「真・善・美」の判断においては、経営だけにとどまらず、その美意識が生きていく上での豊かさ、正しさ、美しさに繋がるものだと感じました。
著者が最後に「物質主義・経済至上主義による疎外が続いた暗黒の19~20世紀が終わり、新たな人間性=ヒューマニズム回復の時代が来た」と述べられていますが、この本が2017年に書かれ、その後コロナ禍が訪れまさに世界がそのように変化していることを実感している今、この人の先を見すえる視点がなんて鋭いのだろうと感心せずには居られませんでした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年9月29日
- 読了日 : 2023年9月29日
- 本棚登録日 : 2023年9月8日
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