パン屋を襲う

著者 :
  • 新潮社 (2013年2月28日発売)
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本棚登録 : 1384
感想 : 200

 題名からはどういう物語なのか想像できないでしょう。表紙には不気味なピエロがほほ笑んでいる姿が描かれています。結論から言うと最初から最後まで意味が分からない小説でした。

 物語の冒頭、大学生の主人公とその友人は腹が減って仕方がなかったのでパン屋を襲う計画を立てる。もうここから意味が分からないですよね。ここで、「とにかく我々は腹を減らせていて、その結果、悪に走おそうのですが。空腹感が我々をして悪に走らせるのではなく、悪が空腹感をしてわれわれに走らせたのである。」という文がある。つまり、主人公たちは腹が減ったからパン屋を襲撃するのではなく、犯罪に手を染めたかったからパン屋を襲ったのです。主人公たちは商店街のパン屋を強盗するのですが、ここから主人公の運命は狂い始めます。

 村上春樹の独特の文体が癖になる一冊です。
本館2階学習室(日本の小説) 913.6||Mu - なかそね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2020年6月17日
読了日 : 2020年6月17日
本棚登録日 : 2020年6月17日

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コメント 1件

tokudaidokusho2さんのコメント
2020/06/22

投稿者:ふろふき大根
「空腹感が我々をして悪に走らせるのではなく、悪が空腹感をしてわれわれに走らせたのである。」この一説をとても魅力的に感じました。パン屋を襲った主人公たちがどうなってしまったのかも気になります。またいつか読んでみようと思います。

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