解放の神学の古典。一般に解放の神学と呼ばれるものは、ラテンアメリカにおいて1960年代後半に生まれたローマ・カトリック教会を中心とする運動を指す。解放の神学の根源は、キリスト教が数世紀にわたって支配し続けてきた地域における、構造的な貧困や経済的抑圧の体験にある。そしてこのような苦難を神のみこころに反するものと、解放の神学者たちは考える。
しかし神学とは言っても、旧来的な信仰の組織的表現(組織神学)ではなく、キリスト教信仰を貧困や抑圧の中にある人々の視点から捉えなおそうとするものである。神学運動は一般的に、その神学を主唱する代表的神学者の著作と共に始まるものと考えられているが、解放の神学はこれに全く妥当しない。解放の神学は貧困や経済的抑圧の解放実践の反省の中から生まれたものであり、解放の実践が第一の行為であるのに対し、第二の行為とも言い得る(グティエレス)。
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カテゴリ:
神学
- 感想投稿日 : 2005年8月27日
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- 本棚登録日 : 2005年8月27日
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