がん‐4000年の歴史‐ 上 (ハヤカワ文庫NF)

制作 : Siddhartha Mukherjee 
  • 早川書房 (2016年6月23日発売)
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本棚登録 : 590
感想 : 35

野地澄晴 徳島大学 学長ご推薦

 がんは誰しもかかる可能性のある疾病である。日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡していると言われている。地球全体では700万人以上の人ががんで亡くなっている。がんとの戦いの歴史を書いている本である。文庫本としては厚く、しかも上下に分かれている本であるが、読み始めると止められなくなる本である。著者は現在、米国ニューヨーク市のコロンビア大学医学部の助教授で、医療センターの医師である。この本の執筆により、2011年にピューリッツァー賞を受賞している。現在、がんの治療はプレシジョン・メディシンの時代に突入し、遺伝子の変異に基づいた治療が行われているが、ここに至る長くて悲惨ながんとの戦いが素晴らしい文脈で語られている。まさに、ノンフィクションの最高傑作であろう。この本により、がんについての知識が得られるが、魅力的な本の書き方を学ぶこともできる。

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感想投稿日 : 2016年12月22日
本棚登録日 : 2016年12月22日

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