情報社会のいま ―あたらしい智民たちへ

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  • NTT出版 (2011年5月9日発売)
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本棚登録 : 111
感想 : 10

S字波モデルで近代日本を60年周期に区切り、軍事化・産業化・情報化という過程を図示している点は非常に新鮮である。そして、各々の局面の出現から突破に至る過程においては、憲法改正が必須であると。これも斬新な視点である。一方で、やや性善説というか楽観主義的で気になるのは智民に関する記述である。著者の言う智民とは、おそらくSNSユーザの5%に満たない人間が対象者に思われるが、そのような50-100万人程度のマイノリティーによって、新しい社会が出現してくるのか?というのはかなりの疑問ではある。(同様な異議を唱え、悲観的に捉えているのが中川淳一郎氏だろう。)が、何らかの変化の兆しはあるので、成熟期に入った産業化からの移行期である事に変わりは無く、これから日本がどうなっていくのか?と考えるにはよい本である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年8月20日
読了日 : 2011年8月20日
本棚登録日 : 2011年5月27日

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