かなり前から読みたいと思いつつ、量があるからと手を出せないでいた作品。
過去と現在が交錯しながら物語が進んでいき、少しずつ、登場人物たちの心の闇が明らかにされていく。その過程に引き込まれ、いっきに読むことができた。
最後の結末は哀しかったけれど、ちゃんと救いも用意されていて、後味の悪い終わり方にならなかったのが良かった。
刑事の伊島が言った、『生きてると、どうしたって嘘やごまかしを使わざるを得ないときがある。だが…嘘とか秘密ってのは、慣れやすい。慣れると、真実を告げるほうが簡単なときでさえ、怖くて、嘘を選ぶようになる。かえって傷を大きくしてしまうことだって、あるだろう』という言葉が印象的。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年5月30日
- 読了日 : 2012年5月30日
- 本棚登録日 : 2012年5月7日
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