しかし彼女の話は長くつづかなかった。ふと気がついた時、彼女の話は既に終わっていた。言葉の切れ端が、もぎとられたような格好で空中に浮かんでいた。正確に言えば彼女の話は終わったわけではなかった。どこかで突然消えてしまったのたわ。彼女はなんとか話しつづけようとしたが、そこにはもう何もなかった。何か損なわれてしまったのだ。
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- 感想投稿日 : 2015年7月8日
- 読了日 : 2015年7月8日
- 本棚登録日 : 2015年7月8日
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