きまぐれ星のメモ (角川文庫 緑 303-2)

著者 :
  • KADOKAWA (1971年5月1日発売)
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本棚登録 : 116
感想 : 14
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夜の8時には最終電車になってしまう地元の電車に乗って星さんのショートショートを読んでいた頃からだいぶ時間がたって、新幹線で出張するのが当たり前のような大人になりました。東海道新幹線のキオスクで缶コーヒーとレーズン三度と一緒にこの本を買ったのですが、今になって星さんがどういう風に物語やアイデアを搾り出し、組み合わせて作品にしていったのかについてのエッセイを手にするなんてなかなかのタイミングです。
例のない視点で搾り出すアイデアをコンスタント珠玉のショート・ショートに纏め上げる彼が語る「産みの苦しみ」を感じると、多忙なように見えても怠惰な脳の使い方をしているものだと忸怩たる思いがこみ上げてきてしまいます。
ただ、これが書かれた時代背景や当時の世の中の人の世界観、技術の進歩の程度などを読むにつれ、大正生まれの星さんに21世紀の日本と世界はね・・・と語り掛けたいような甘めのノスタルジーを感じてしまいます。

というわけでノスタルジックな文体で感想を書いてみました。

ちなみに山本七平さんとかの評論を読むと「21世紀の日本もね・・・」と眉を下げて首を傾けつつ話さなければならなくなりそうだな、ということと比べると、この数十年の技術的課題と政治・社会における課題のどちらがどのような進歩を遂げたのかという点について考察の一つもしてみたくなります(笑)

まったく本の評論でも感想でもない気がするけどまあいいや。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Sofa
感想投稿日 : 2012年12月4日
読了日 : 2012年12月4日
本棚登録日 : 2012年11月30日

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