陰陽師 付喪神ノ巻 (文春文庫 ゆ 2-5)

著者 :
  • 文藝春秋 (2000年11月10日発売)
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「瓜仙人」「鉄輪」「這う鬼」「迷信」
「ものや思ふと……」「打臥の巫女」「血吸い女房」の7篇収録でシリーズ3作目。

村上豊のカラー絵にもなった「鉄輪」。
丑の刻参りの末に生成りの鬼になった徳子は強烈。
物語もかなり強烈。

「ものや思ふと……」では宇宙の概念がつづられる。
宇は天地、左右、前後・・・の空間を意味し、
宙は過去、現在、未来・・・の時間を意味する。
空間と時間を合わせた宇宙という言葉を、
中華文明はすでに持っていた。
そして、人は呪という手段でこの宇宙を理解していた、
と、晴明は続ける。
また、言葉は呪を盛るための器であるとも言う。
──んんん、もしかして数学的認識は呪なのだと思った瞬間だった。

「打臥の巫女」は八百比丘尼で、白比丘尼だったんだ。
すっかり忘れてましたねぇ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 伝奇小説
感想投稿日 : 2024年2月26日
読了日 : 2024年2月28日
本棚登録日 : 2024年2月19日

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