死―宮崎学写真集

著者 :
  • 平凡社 (1994年11月1日発売)
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本棚登録 : 89
感想 : 19
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凄まじい写真集。だけど死についての悲惨な気持ち、というより命についての大きな気持ち、に至る本です。むかしむかし、手塚治虫の「火の鳥」を読んだ時のような感じ。この写真集を知ったきっかけがNHK Eテレの日曜美術館の「アニマルアイズ」という回で、写真家 宮崎学の作品、来歴、現在の活動にも魅了されましたが、本人の温かく、ポジティブで、面白がりであり、しかも一本筋の通った語り口にも引き込まれてしまいました。この写真集にもそれを感じ、どんどん動物が身体を失っていく写真をめくりながら、キャプションからは彼の声が聞こえてくるような気がしました。ピラミッド型の食物連鎖ではない、サークル型の腐食物連鎖の凄みを体感しました。誕生と死、という命の根幹がブラックボックス化している現代の生活において、この写真集は幼児教育においてマストかも、とか思いましたが、トラウマになるかな…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年12月4日
読了日 : 2020年11月29日
本棚登録日 : 2020年11月22日

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