愚民社会

  • 太田出版 (2011年12月14日発売)
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本棚登録 : 300
感想 : 23
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書名が「愚民社会」と挑発的ですが、内容は「土人社会」ともっと挑発しています。BREXITやトランプなどのポピュリズムが吹き荒れる世界の流れに刺激を受けて、二人の論者と書名に惹かれて開いた本ですが、3・11きっかけでまとめられた日本論でした。西郷隆盛や福沢諭吉まで遡り、日本の近代化が可能なのかどうか、という、かなり日本ローカルの特殊な事情を語り合っています。なのですが、経済と国土だけじゃないもの、とか論理だけでは溢れ落ちちゃうもの、としての文化への向き合い、という意味では普遍性も感じました。タイミング的には最終章の憲法改正を巡る議論が大迫力。土人憲法の行方は、どうなるのでしょう。脚注満載なので、それだけでも知らなかったことが知れます。でも、正直、ちゃんと理解出来てないと思う土人でありました…大塚英志のあとがきの「教育」に未来を託すスタンスに、宮台真司のトリッキーなロジックよりも共感を覚えたことも、備忘しておきます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年11月24日
読了日 : 2018年11月24日
本棚登録日 : 2011年12月26日

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