青春の門(第六部)再起篇(講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1990年5月15日発売)
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感想 : 20
3

ふーむ。
林三郎の書生となって、飛躍するかと思ったら、
林みどりとの間だけに 縮小してしまった。
おい。おい。
それで、オリエのマネージャーになると言うのは、
ふーむ。なんじゃそれ。
という感じだね。

ブルジョアジーとプロレタリアートという図式のなかで
今の時代の流れをつかみきれないものがあるのだろう。
それで、再起 なのだろうか。

信介の行動原理は、敵が明確であれば、立ち向かう時に、
勇気をふるい、たたかう。
歴史の中の個人、歴史との関わり合い、
貧乏であったという過去の生い立ちから、
プロレタリアート意識なるものに、そぐわない何かがある。
食べて、生活するだけでは、物足らない。
オリエは、そのことに満足する。
好きな歌を歌って、自分で生きていければ、良しとする。
ずっと、信介のことを想い続けてきた。
しかし、信介は、オリエだけを見るのでなく、
遠くを見ている。また、別のオンナに魅力を感じたりする。

タエ、オリエ、梓先生、英子、カオル、トミちゃん、
五木寛之は、オッパイの大きな女が好きなようである。
そして、お見舞いに登場したミドリ。
結局は、母親への思いが深く横たわる。
クラシックというのが、知的素養なのだろうか。
むつかしい本を読むということ。

英治と英子。
カオルと石井。
信介とオリエ。
緒方とトミちゃん。

それにしても、信介はなぜ緒方に魅力を感じたのだろう。
理論的とは言えず、明確な主張があるとも言えない。
図式的な階級闘争論。

五木寛之が 挫折した 理由が この再起篇にはありますね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 青春/恋愛
感想投稿日 : 2013年12月3日
読了日 : 2013年12月3日
本棚登録日 : 2013年12月3日

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