きみスキ: 高校生たちのショ-トスト-リ-ズ (teens’ best selections 31)
- ポプラ社 (2012年9月1日発売)
本棚登録 : 177人
感想 : 17件
高校生男女7人が交代に語り手となる連作掌編小説集。
ひとりひとりの気持ちが細やかに描写されています。掌編ということで1編1編はごく短め。それぞれの子が抱える問題がスパッと解決される訳ではなく、高校生の日常をスパッと切り取って見せられているような感じがあります。それがきっと登場人物と同年代の読者には身近なものとして写るのでしょう。
読んでいくうちに登場人物への認識が変わっていくのが面白かったです。この子はこういう考えもするんだ、この子にはこういう一面もあるのだと驚かされる場面が多々あったのです。
きっと自分自身でも気付いていなかった自分が、他人との交わりの中で出てくるのでしょう。一人称で書かれる物語だから、本人が気付いていない自分がふと出てくる瞬間に立ち会え、その人物の新たな一面(でも本当はその人物の中に元々あったであろう資質)が見えるのが面白いです。
きっとこれからもこの子たちは自分でも気付いていない自分の気持ちと向き合っていくのでしょう。それは「成長」と呼ばれるものなのかも知れません。それが高校生という年代がもつ煌めきなのでしょう。
…なんて思ってしまうのは、おじさんの視点で読んでいるからでしょうね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
在庫なし
- 感想投稿日 : 2018年11月25日
- 読了日 : 2018年11月25日
- 本棚登録日 : 2018年11月19日
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