シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング―

著者 :
  • かんき出版 (2017年9月13日発売)
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最近よく聞くようになってきた「1on1」が気になり、手に取った一冊。
生産性の高い組織の要件の1つが「上司部下が良い関係を築けている」こと。この信頼関係という土台をしっかり固め、働く人を活かして組織の目的を達成するのがマネージャーの役目。そのためには、日々の仕事の進捗確認とは一線を画して、ただ個々の状態を確認していく「1on1ミーティング」をやるべし、ってな内容。
ではどうやって、1on1ミーティングを推進するかの方法論が書かれています。
自分が部下と面談する時のやり方というのは、どうしても自分が上司にしてもらった面談の経験がベースになってしまうのだが、「より良い面談方法は無いのか?」ってのは考えてこなかったなぁ、と反省。とてもシンプルな面談方法なので、早速メンバーと実践してみたいと思います!

・人に関して問題を抱えている企業の根本的な原因は個人に焦点をあてた対話の不足。いや、話してるぜ!という人も、ほとんどが「業務」に焦点を当てた話しかできていない。

・相談を受けたら、解決に動かなければならないが、解決策がない。ので、面談を避ける上司がたくさんいる。

・手のかからないと思っている上位2割のメンバーだって、話を聞いて欲しいと内心思っている。

・課題解決の場ではなく、課題発見の場としてとらえる。

・1on1で取り上げる7つのテーマ
①プライベートの相互理解
②心身の健康チェック
③モチベーションアップ
④業務組織課題の改善
⑤目標設定・評価
⑥能力開発・キャリア支援
⑦戦略・方針の伝達
①~③信頼関係作り、④~⑦成長支援

・雑談の4レベル
①内容を話す(世間話)
②内容を聞く(部下自身の話を聞く)
③感情を聞く(どう思ったのかを聞く)
④価値観を聞く(背景にある想いを聞く)

・部下の話に自分の納得を求めない。

・共感は相手に味方と思わせるが、説得は相手に敵と思わせる。

・マイナス面や不安に対しては下手に助言するのではなく、聴き切ることが大事。うまくやれていることは承認して、ほめる。

・承認とほめるは別。髪切ったね!は承認、にあっているよが褒める。事実を事実のまま、○○したねの承認からまずはスタート。あ、見てくれているという安心感。

・最高の褒め方=間接褒め

・部下の仕事のサポートではなく、成長のサポート

・緊急度が低くて、重要度が高いことを取り上げる。

・お前はわかってないなー、から、私に教えてくれないか、に文脈を変える。

・評価で大切なことは、正しい評価では無く、評価される側の納得感。MGCの手順で納得を高める。
Must会社としてやらねばならぬこと、これを背景含めてしっかりと伝える。Getそれをやるとどんな成長が得られるかを明らかにしっ共有する。Canどうやって実行していくか。要素分解して行動できることに落とし込み、やれそうという実感を共有する。

・能力とは行動して体現されたものをさす。行動して表に出ないものは能力とは言えない

・コルブの経験学習モデル。①具体的経験→②内省的観察→③抽象的概念化→④能動的実験。1on1ではこの②~④の支援をする。

・能力開発とは、既にある能力を自覚させること。

・将来なにをやりたいのか?という質問が不安にさせることもある。将来何をしたいのかを言えない部下を受け入る。将来を作るのは、今であり、今何をするかに集中させる。

・逆ホウレンソウ。会社の情報を、しっかりとメンバーにホウレンソウする。

・1on1の6つのレベル
①コミュニケーションの量の増加によって、上司と部下の関係がつくられる
②傾聴を通して、部下理解が深まる。上司と部下の相互理解の深まり
③承認を通して部下のもちベーションが向上する
④質問やフィードバッグを通して、部下が業務から学びや気付きを獲得する
⑤気付きや学びをもとにして、部下が新たな行動やチャレンジをする
⑥チャレンジを通して、部下が成果への貢献感と能力の向上を自覚する。

・1つの施策をいかにしらけさせないか。

・3つの心構え
①5勝5敗でOK。毎回完璧な1on1を目指すと重くなり、続かない
②カッコつけない
③正しいではなく楽しいを目指す

・巻末の質問の投げかけ一覧。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年10月8日
読了日 : 2017年10月8日
本棚登録日 : 2017年10月8日

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