【本の内容】
1996年1月21日、深夜のラジオが横山やすしの死を伝えた。
それを聞いて著者は数年前にかかってきた彼からの電話を思い出す…。
80年に芸術祭優秀賞を受賞、漫才ブームの頂点に立った「漫才道」の求道者、横山やすし。
一方で不祥事が絶えず、謹慎を繰り返すやっさん。
自暴自棄の中で自滅した彼の芸と人を描く。
[ 目次 ]
無名の二人
「漫才のために生れた少年」
1974 秋
漫才史の中のやすし
色川武大のいる風景
対面まで
映画化をめぐる憂鬱
のるかそるか
やっさん
1982 秋
嗚咽
不安
禁煙スタジオ
「漫才が下手になる…」
有頂天のとき
不意の告白
胎児殺し
ピーク時を過ぎて
1986 夏
偽善と偽悪
酒をめぐって
甘え
バラは贈らんでくれ
謎の事件
突然の死
やっさんのいない大阪
[ POP ]
中学校から高校時代、テレビの番組欄で「やすきよ」の名前を見つけるとわくわくしながら、その放送時間を待っていた。
今でも、横山やすしの、メガネをまっすぐ伸ばした人差し指で直すしぐさや、あの声色を思い出すことができる。
当時のお笑いの中では、ぴか一に光っていたのだ。
そうした、「絶頂期」しか知らなかった私には、この本で描かれた彼の姿は、あまりにも哀しい。
それほど、行間から立ち上がる、横山やすしのイメージは、生々しいのだ。
淡々とした著者の視線から浮かび上がる「やっさん」は、笑い、泣き、苦悩する人間そのもの。
もしかしたら、読まなかったほうがよかったかもしれないと思わせるほどに圧倒的な「人間・横山やすし」が描かれている。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
- 感想投稿日 : 2014年8月26日
- 読了日 : 2014年8月26日
- 本棚登録日 : 2014年8月26日
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