冬季エヴェレスト南西璧無酸素単独登頂
もう下山する気力さえ萎えそうになる。しかし…ここで終わるわけにはいかない。それは…たぶん怒りのようなものだ。その気持ちがようやくおれを動かした…それからすぐに下山を始めたのだ。
……山屋は山に登るから山屋なんだ。死ぬために登るんじゃない。死んだら……ゴミだ。
生きた時間が長いか短いかそれはただの結果だ。死ぬだとか生きるだとかそういう結果のために山に行くんじゃない!不幸か幸福かだったなどもただの結果だ!生きたあげくのただの結果だ。幸福も不幸も関係ない‼そういう結果を求めて山に登っているんじゃない!!おれはどう生きたらいいかなんてまるでわからないがな山屋である羽生丈二のことならわかる!山に登らない羽生丈二はただのゴミだ。
そこに山があったからじゃない。ここにおれがいるからだ。
自分の内部に眠っている鉱脈を捜しにゆく行為のようなものだ。頂を目指すというその行為こそが答えなのかもしれない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2011年3月2日
- 読了日 : 2011年3月13日
- 本棚登録日 : 2011年2月25日
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