特にファンでもないのだけど、星新一ほど、「稀代の作家」という言葉がぴったり似合う人はいないと思う。
着眼点。
構成力。
斬新さ。
読者の予想を超えてくるオチ。
人間の本性の炙り出しと、胸にストンと落ちてくる納得感。
明らかに皮肉なのに、同時に盛り込まれたいたわりの視点。
時代を感じさせない近未来的なモダンさ…。
わずか3〜4ページの世界の中にこれだけのものを込められた人なんて、他にいないんじゃないかと思ってしまう。
しかも、それを1000本あまりも書き上げたという…。
多くが宇宙人やロボットといったSF的なネタであり、確かに「星スタイル」なのに、どれ一つとして、同じオチはなく、すべてちがう。
もう、圧巻です。
個人的に、アッ!と思わされたのは、「きまぐれロボット」と「ネコ」。
「きまぐれロボット」は、さすが表題作になるだけあって、インパクトあります。
確かに、便利って、いいことだけじゃないんだよね…。
うん、私は明日もエレベーターじゃなく、階段を使うよ。
「ネコ」は、われこそは愛しきネコちゃんの下僕であると自覚しているネコ飼いにはぜひ読んでほしい。
これぞネコ!
そして、やっぱりネコは偉大だ!
ネコがネコたる故に、地球を救ったのだから。
間違いない!
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年7月19日
- 読了日 : 2020年7月19日
- 本棚登録日 : 2020年7月19日
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