態度が悪くてすみません: 内なる「他者」との出会い (角川oneテーマ21 A 49)

著者 :
  • KADOKAWA (2006年4月1日発売)
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本棚登録 : 636
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さまざまな雑誌などに寄稿された著者の論考・エッセイを収録している本です。

著者のブログ記事をまとめた本とはちがい、字数制限のためか尻切れトンボの感のあるエッセイも多少見受けられるように思いますが、身近な話題から思いもかけない理路を通って見晴らしのきく場所へと読者を連れ出す著者らしい議論の運び方が随所に見られます。

個人的には、橋本治の思想、とくに身体論、他者論、歴史論にかんしては、内田樹の思想を通して読み解くことではるかに理解しやすいものになるのではないかという見通しをもっており、「速度と祝福 God speed you―書評『蝶のゆくえ』橋本治著」の橋本治論は興味をもって読みました。「速度」というキーワードを提示するだけで終わってしまっているのは残念でしたが、一つの行間を一冊の分量にザバッと広げてしまったかのような橋本の批評の文章についても「速度」という観点から考えてはじめて見えてくることがあるのではないかという気がしています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学・思想
感想投稿日 : 2019年11月1日
読了日 : -
本棚登録日 : 2019年11月1日

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