槍術の名門として知られる宝蔵院の阿巌に勝利しながらも、老僧の日観の人間としての器の大きさに敗北を悟った武蔵は、つづいて剣の道でその名をとどろかせる柳生家を訪ねます。柳生家にはお通が滞在しており、老石舟斎に笛を聞かせて彼の心を慰めていました。武蔵は石舟斎と剣を交えることはかないませんが、彼が生けた花を見て、その枝の切り口から石舟斎の真の力を知ります。
他方、お甲のもとを去った又八は、石夫として働いているときに、佐々木小次郎の印可目録を手に入れます。その後、彼は老母のお杉と再会しますが、武蔵への憎しみをわすれず復讐をめざして突き進む彼女についていくことができず、ふたたび彼女のもとから去っていきます。
登場人物たちが行く先々でニアミスをくり返すエンターテインメント作品らしい展開が巧みに構成されていて、たのしんで読むことができました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本の小説・エッセイ
- 感想投稿日 : 2022年1月28日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2022年1月28日
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