白い巨塔 上 (新潮文庫 や 5-23)

著者 :
  • 新潮社 (1993年11月1日発売)
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感想 : 20
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財前五郎は、国立浪速大学附属病院第一外科の助教授で、「食道外科の若き権威者」としてマスコミに取り上げられるほどの人物です。退官を間近に控えた教授の東貞蔵は、しだいに財前を疎んじる気持ちが募ってきます。

両者の対立はしだいにエスカレートし、東は自分の後任に、財前ではなく彼の出身校である東都大学出身者である菊川昇を推そうとします。一方、東が自分を後任の教授にすることを阻もうとしていることを知った財前は、舅で開業医をしている財前又一のバックアップを受けて、医学部長の鵜飼教授に協力を求めます。

こうして、学内派閥間での抗争はエスカレートしていきます。両者がまみえる選考委員会の席では、厳格な態度をつらぬく大河内教授や、独自候補を擁立する野坂教授らの対応に苦慮しながらも、財前は権謀術数を駆使して、みごと教授の座を勝ち取ることに成功します。

上巻では、学内派閥間の抗争がメイン・テーマです。文章も比較的硬質で、分量もかなり多いのですが、人物の造形がはっきりしていて、テンポよく読み進めることができました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2019年11月27日
読了日 : -
本棚登録日 : 2019年11月27日

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