著者のエッセイをまとめた本です。
冒頭の「ゴルフ嫌い」は、ゴルフ愛好家が周囲の人びとにまでゴルフをすることをすすめてくることに対する不満を語ったもので、著者のエッセイにときおり見られるボヤキ芸となっています。個人的には、著者のこうしたスタイルのエッセイはあまり感心しないことが多く、著者の才能はべつの方面にこそ発揮されるのではないかという気がしているのですが、これにかぎらずおなじようなスタイルの文章もいくつか含まれています。
「煙草民営化論」は、その後じっさいに専売公社がJTとなったわけですが、もちろん著者はそうした未来を予見したのではなく、悪ふざけとして突拍子もない提案をしています。当時からすでに喫煙者に対する風当たりは強かったようですが、現代ではますますそうした風潮は高まっており、著者の意図をこえたところでかえってこの文章に込められた「毒」が効くようになってしまったといえるかもしれません。
このほか、著者のSF論や、小松左京、山下洋輔などについての文章も収録されています。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本の小説・エッセイ
- 感想投稿日 : 2023年11月26日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2023年11月26日
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