小林カツ代と栗原はるみの二人を中心に、主として高度成長期から現代にいたるまでの人気料理研究家たちの仕事と、彼ら/彼女らが受け入れられた時代状況をリンクさせて考察している本です。日本のに西洋料理を紹介して人気を博した江上トミ、飯田深雪からはじまり、入江麻木、城戸崎愛、有元葉子を経て、土井勝・善晴親子、村上昭子、辰巳浜子・芳子派親子、そしてケンタロウ、栗原心平、コウケンテツ、高山なおみといった、多彩な料理研究家たちがとりあげられています。
こうしたテーマをあつかうときに、フェミニズムが強力な武器になることは容易に想像がつきますが、その理論はやや切れ味が鋭すぎるのではないかという懸念も抱いてしまいます。しかし本書では、何よりも料理研究家たちのパーソナリティにも触れつつ、それぞれが時代のなかでどのような役割を演じることになったのかがていねいに語られていて、理論的な枠組みに対象を無理やり押し込んだような印象がないためでしょうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
趣味・生活・人生
- 感想投稿日 : 2018年4月1日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2018年4月1日
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