『パンツをはいたサル』(カッパ・ブックス)の「過剰‐消尽」理論に基づいて、都市論を展開している本です。
著者は、人間は過剰なエネルギーを生産する存在であり、それを何らかの仕方で消尽しなければならないと考えます。伝統的な農村共同体では、ふだんは固定的な秩序が支配していますが、祭りがおこなわれることによってそれまで蓄積された過剰なエネルギーが消尽されていました。これに対して都市は、固定的な秩序から解放される空間であり、過剰なエネルギーをもてあます人間にとってもっとも「自然」な空間だと、著者は主張しています。
さらに、ブダペスト、プラハ、博多、金沢を例に、都市における秩序とカオスの関係、つまり「光」と「闇」のダイナミズムが論じられています。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史・地域・文化
- 感想投稿日 : 2019年2月12日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2019年2月12日
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