現役官僚が著者とは到底思えないほど、専門的な本。本書の主題である、地政経済学とは、富国と強兵、すなわち経済力と政治力・軍事力との間の密接不可分な関係を解明しようとする社会科学。地政学なくして経済を理解することはできず、経済なくして地政学を理解することはできない、というのが地政経済学の大命題。
学生の頃、経済学を学んでいたが、それはまさに経済学の一部分でしかないことを痛感させられた。
そもそも、貨幣とは何か。領土との関係性は何か。政府債務とは、、など、分からないことだらけなのが分かる書籍。また、研究していた経済モデルの批判もあり、非常に勉強になった。そして、まだまだ勉強していかなければ、と考えさせられた。
以下抜粋
もしヘーゲルが言うように「ミネルヴァの梟は迫り来るくる夕闇とともに飛び始める」のであるならば、「大規模な戦争なしには経済的繁栄も社会的公正も実現できない」という不愉快な現実は、すでに過去のものになりつつあるということになろう。したがって、本書が示した認識が正しいとするならば、むしろ希望はまだ残っていると言うべきである。
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- 感想投稿日 : 2017年11月13日
- 読了日 : 2017年11月13日
- 本棚登録日 : 2017年11月13日
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