ちょっと気になっていたので、勢いで購入。あるメルマガでも紹介されてたし。
うーん、買うほどではなかったかもなぁ。別に悪い内容じゃないけど、読む人を選ぶ本だとは思う。
『家族という病』に続き、叩かれやすい本を書く人だなぁ。
決して間違っていることを言っているとは思わない。言っていることは結構正しいし、ちゃんと理解すれば他の人も分かると思うんだけど、理解されにくい内容にしているからなぁ。多分確信犯的にやっていると思うのだけど、「分かる人には分かればいい」という意識なんじゃないだろうか。それがまた鼻につくところにつながっていそうだけど。
そもそも内容の大半が自慢話(に見える自分の体験談)なので、受け入れられにくい要素になっているよね。前著『家族という病』も同様なんだけど。自分の体験談を一般論として語っているように見えるのが反感を買っている要素の一つだと思う。
批判している人間に対しても、所詮この本はエッセイなのだから、当人の考えにいちいちケチつけなや、とは思うのだけどね。
著者が言いたいことは、
・一人でいる時間は大切。そういう時間をちゃんと持とう
・でも他の人と接して刺激を受けることも重要だよ
・誰かに依存すると大変だよ、一人の時間を大切に
という3行くらいにまとめられる程度の内容だと思うのだけどね。
この内容自体に反発する人はそうそういないんじゃないかな。一人になりたいときもあれば、誰かと一緒にいたいときもある、それがにんげんだもの。依存体質の人は別としてね。
誰かに依存すると、自分の人生を歩めなくなる。それは困るんじゃないかね。そうならないように自分の時間を作って、誰にも依存しない、自立した自己を作ろう、それが本書の主題だろうと。
加えて「孤独な時間を持って、それを楽しめる人には魅力がついてくる。誰かに依存している人間には得られない魅力が出てくる。そういう人は他の人とも接して楽しめるのだ」って事も言いたいのだと感じたのよ。それも僕はその通りだと思う。他者に依存する人間には、魅力はあまり感じられないよね。人は、自分にはないものを持っている人間に惹かれるのだから。
そういう人間になろうよ、というのが言いたいことなんだろうね。誰かに依存していたら誰もいなくなるよ、欲しいなら手放すことを考えよう、的なね。
そういう書き方を(恐らく敢えて)していないのが本書の一番の問題なんじゃないかね。だから内容を理解できない人間に叩かれる。
加えて、日本という国は、近代から今まで共依存社会を作ろうとしてきている。それが常識として定着している人達からすると、感覚的に依存しない関係を築くことに対して恐怖心とかがあるんだろうね。今まで見たことのない、聞いたことのないものを目の前に突きつけられた恐怖、というか、わからないことへの恐怖のようなもの。だから無自覚に意味不明な反発をしてしまう。もちろんそれは著者の問題ではないのだけど。
そろそろ日本人は家族像だったり、会社像だったりする「共依存で成り立っている関係」を見直すことをやったほうがいいよね、と、本書を読んで改めて思った。まあ本書の主題とは少しズレるけど。
あと、自分の話が大半で内容が薄いわ。この程度の内容でこのページ数はちょっとやり過ぎ。もっとコンパクトにまとめられるんじゃないかな。
コンパクトにしたら本にできないだろうから、儲けるためには致し方ないのかもしれないけどね。『家族という病』も主題的には近しいのだから、合わせて1冊にしてくれたほうが、個人的には読みやすくて助かるのだけどね。
それに、1冊にしたほうがより一層叩かれるだろうし 笑
- 感想投稿日 : 2019年1月15日
- 読了日 : 2019年1月14日
- 本棚登録日 : 2019年1月14日
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