ミライノコドモ

著者 :
  • 岩波書店 (2013年6月6日発売)
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本棚登録 : 79
感想 : 7
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なんか、全体的に、喪失感が貫かれているような。印象を受けました。コトバエラビとか、コトバリズムを極めたひとが紡ぐ詩っていうのは、あとがきに谷川さんが書かれているとおり、“詩はとれたての新鮮な言葉をいのちとしているから、メディアに氾濫する言葉からのデトックスとして役立つ”のかもしれない。でも、そういうのに頷く一方で、一遍の詩がずうっと人生に付きまとうこともあるし、人生観を変えてくれることだってあるかもしれないし、いろんな気づき、勇気を与えてくれる場合だってある。そういう意味では、刺さるほどの棘は、この1冊にはなかったかなあ、いまの私には。コトバも文も出会いだし、またいずれ、違う時期に読めば、胸に刺さることもあるかもしれない。「時の名前」とかは 音楽はないのに歌詞のようで ちょっと気になったな。 ○ ○○ ○○○ という区切りなんかも… 。最近の、 うちらゎズっ友 ゎら みたいなああいう日本語は、いずれ消える退化でしかないと思うけど、こういうコトバを極めてきた詩人の紡ぐ光景は、日本語の進化の可能性を感じるよね。まだ誰も組み合わせたことのない式を、見せられるかんじ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 詩集・画集など
感想投稿日 : 2013年8月1日
読了日 : 2013年8月4日
本棚登録日 : 2013年8月1日

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