人は誰しも心の内奥に小さな子供を抱えている。
本書の冒頭部分でもチラっとそのことに触れていたように思う。
しかし、本書の内容は「そういったこと」とはあまり関係なく、当然人格の多重性の話でもない。ただ部分的に似通ってはいる。
ボルヘス謂うところの「主体と客体」だ。
テスト氏という人物はほんとうなら客体であるはずなのに、“主体的に語られている”。
“それ(=主体と客体の逆転)”が、せめぎあった結果ではなく“ただそうなっている”ことこそが、本書を特異な作品にしているのかもしれない、なんつって(私の脳みそだとこのぐらいの解釈で限界w)
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外文学
- 感想投稿日 : 2013年10月5日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年10月5日
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