上巻を読んでいる時には、『イージーライダー』との相関性を思ったが、この下巻ではアーサー・ペンの"Bonnie and Clyde"(=『俺たちに明日はない』)のイメージと重なるものがあった。この映画も1967年の製作で、小説と全くの同時代だ。1960年代末はカウンターカルチャーの時代であり、既成の価値基準を崩壊させる運動が様々な芸術作品にも反映されていた。その意味では、この小説はまさしく時代の証言者でもあったのだろう。そこでは、何のために?といった問いよりは、ムーヴメントそのものの方が力を持っていたのだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
☆アメリカ文学
- 感想投稿日 : 2013年9月26日
- 読了日 : 2013年4月23日
- 本棚登録日 : 2013年9月26日
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