かつて、『アンドロイドは…』を初めて読んだ時には驚嘆した。映画化されたリドリー・スコットの『ブレード・ランナー』のオープニングシーンにも眼を見張った。ところが、今回この作品集(7つの短篇で構成)を読んで、そうした凄みが感じられない。自分が歳をとったせいなのだろうか。あるいは、フィリップ・K・ディックのSFが時代の経過とともに古びてきたのだろうか。例えば、表題作にしても予知能力者の設定を受け入れなければならないし、「世界をわが手に」にしても、メタフィクションの面白さの効果は読者の想像を凌駕するものでもない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
☆SF
- 感想投稿日 : 2014年3月30日
- 読了日 : 2014年3月21日
- 本棚登録日 : 2014年3月30日
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