『アリス・オンパレード』第10弾。縦22.0cm,横15,5cm。カラー挿絵を活かすために上質紙を用いており、重い。メディアファクトリーの出版。訳者は人気小説家の村山由佳。語りに工夫が凝らされていて、全体は男性というよりは少年による語りのようなスタイル。また、中の登場人物たちも、例えば三月ウサギが東京下町方言で、帽子屋は大阪弁で会話を交わしている。ただし、本書で最大の価値を持つのは、本国でも手に入らないトーヴェ・ヤンソンの挿絵だ。ウサギ穴の中とはいえ、ほの暗くどこか陰鬱なアリス。寂寥感さえ漂っている。
読書状況:読み終わった
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☆不思議の国のアリス
- 感想投稿日 : 2013年9月27日
- 読了日 : 2013年8月30日
- 本棚登録日 : 2013年9月27日
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