冒頭の「定年って生前葬だな。」という台詞と、
あとがきの「若い頃に秀才であろうとなかろうと、美人であろうとなかろうと、一流企業に勤務しようとしまいと、人間の着地点って大差ないのね」。
なるほど、そうかもしれない。
主人公の外から見たら「エリート」サラリーマンが定年を迎える。
ただのおじさんになることを拒否してあれこれ試したり、試さなかったり、結局は仕事に生き甲斐を求め、短い間にジェットコースター並みの展開を見せる。
壮介の気持ちがエリートでもなんでもない私にも手に取るように分かったよ。
まだ定年までしばらくあるけど、必死に勉強して上京したけど、今のところ何も成していない普通のおばさんだなと、たまに思うことあるから。
成功すること(日本だと成功しているように見えることの方が大事かな)、成功とは仕事などの社会的なものが輝いて見えるという価値観だと、定年後の生活はつらいだろうな。
自分が自分らしくいられる場所や物、他者からの評価など関係なく幸せでいられるものについて考えさせられた。
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- 感想投稿日 : 2022年8月14日
- 読了日 : 2022年8月14日
- 本棚登録日 : 2022年7月24日
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