武士道セブンティーン (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年2月10日発売)
4.19
  • (586)
  • (728)
  • (240)
  • (19)
  • (3)
本棚登録 : 4504
感想 : 433
5

 これは面白い。『武士道シックスティーン』も面白かったが、『武士道セブンスティーン』は更に面白さが増している。香織と早苗、それぞれのキャラクターが作者の中にも読者の中にも明確な像を結んでいるからであろう、主人公の気持ちが読み手の心に自然と沁みてくる。特に試合の場面になると読み手はいつの間にか香織に、あるいは早苗になって相手と対戦している自分を発見するであろう。
 もう一つ、本作でいちおう注意しておきたいのは香織が中学の剣道部で一緒だった清水の存在。香織の彼氏(?)になるのか? この清水という男、ヘタレで糞握りで優柔不断。しかも中学で剣道をやめた根性なしで、さっぱり女子にモテず、いつも半分ひっくり返ったような声で喋る挙動不審男なのだ。さすがにそんな男を香織が好きになるとは思えないが、女心は謎だからなぁ。案外、さっぱりと男前な性格の香織の母性本能をくすぐって……、などと勝手に妄想を膨らませている私である。誉田氏が続編『エイティーン』で清水君を再度登場させるのかどうか、扱いが気になるところ。もう『武士道エイティーン』を読んでその辺りをご存じの方も多いと思われるが、教えて欲しくないぞ。
 とにかく文藝春秋さんには、一刻も早い『武士道エイティーン』の文庫化をお願いしたい。そうは言っても一年ぐらいは待たされるのかなぁ。うーん、早く読みたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年3月31日
読了日 : 2011年3月30日
本棚登録日 : 2011年3月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする