メディアが動かすアメリカ ――民主政治とジャーナリズム (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2020年9月9日発売)
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影響力が落ちてきたとは言っても無視できないのがメディアだ。アメリカのメディアは、リベラルと保守に別れている。




著者は、アメリカ下院議員事務所、2000年米大統領選挙でニューヨーク州支部・上院議員選本部、テレビ東京のニュース番組WBS政治部記者などを経て、現在は大学教授だ。




FOXニュースというと、共和党寄りの保守として知られているが、「たこつぼ内の無神論者ーアメリカ右派の中枢にいた、あるリベラルの八年」という告白本が2013年、アメリカのメディアで話題になった。著書は、ジョー・ムトーという白人リベラルの報道スタッフだ。



実際に、FOXニュースの現場で目の当たりにした光景に驚いていた。プライベートでは、リベラスなのに、スタジオに入ると保守に変身する「まるで保守一座の電波劇団」のようだった。




小難しいことはさておき、視聴率を稼いでなんぼという姿勢が浮き彫りになる。




では、リベラルがまともかというとそうでもなかった。今では、リベラルの顔をしているCNBCは、もともと保守論客を登用していた今では知られると都合の悪い過去があった。FOXと類似して上に、立ち位置がよくわからなかったので視聴率がよくなかった。そこで、左に舵を切ってリベラル寄りになった。




アメリカでは、メディアを監視する団体が左右分かれているそうだ。中立の機関がないとはどうやって公平性を保つのか不思議だな。




あまり見聞きすることのないアメリカメディアの裏事情を知ることができた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年12月29日
読了日 : 2020年12月29日
本棚登録日 : 2020年12月29日

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