夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2010年1月30日発売)
4.02
  • (660)
  • (728)
  • (425)
  • (69)
  • (20)
本棚登録 : 6720
感想 : 670
5

映画化の話を聞き、Kindleから取り出して読み始める。私が持っているのは旧訳版だが、やはり、おもしろい。人工冬眠とタイムマシンを絡めたよく練られたストーリー、各キャラクターの描き方、特に主人公ダンの成長ぶり、正に古典的名作。映画の出来が悲劇に終わらなければいいけれど。

物語の舞台は1970年と2000〜2001年。
1970年、家庭用ロボットの発明者ダンは、友人で共同経営者のマイルズと婚約者のベルに裏切られ、会社の権利を奪われたうえ、人工冬眠させられてしまう。目覚めたのは30年後の2000年。誰一人頼れない中、ダンが取った行動は…。

刊行は1956年なので、1970年は正に未来である。発表から60年以上が経つが、今読んでも全く古びていないのには驚かさせる。残念ながら2021年の現在でも、家庭用ロボットも人工冬眠技術も確立されておらず、ハインラインが想像した1970年の技術には達していない。当時は科学がもたらす未来に大きな希望が持たれていたのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年3月7日
読了日 : 2021年3月7日
本棚登録日 : 2021年3月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする