無力感は狂いの始まり 「狂い」の構造2 (扶桑社新書)

  • 扶桑社 (2010年9月1日発売)
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感想 : 37
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前作『「狂い」の構造』から3年。
秋葉原通り魔事件、婚活殺人など正気の沙汰とは思えない事件が次々と起こり、日本という国はますますわるくなっている。

春日は
<blockquote>ますます品性がなくなってきた。それは結局、自尊心や自己肯定、自分を大事にすることが出来なくなってきた弊害じゃないか</blockquote>
と説く。

つまり、自分自身に対する無力感が「狂い」のはじまりだということだ。
長引く不況でそれまでの日本型経営が崩壊し、この国はどんどんと階級社会へと進んでいっている。

秋葉原通り魔事件の犯人のように、自分の行き場・居場所のない"無力感"こそが「狂い」の源泉なのである。

命の尊さを教えるには、"サツイク"が必要ではないかとも。
この部分が本書で一番ショッキングなところであろう。

何しろ学校教育で殺生を教えろというのである。
しかしながら、その心は生命の死というものを身近に感じることで命の尊さを学ぶというものであり、決してエキセントリックな物言いではないのだ(表現はその機雷がるが)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2018年11月20日
読了日 : 2011年7月19日
本棚登録日 : 2018年11月20日

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