ヒンヤリと静かに妖しい空気を漂わせ不思議な世界が繊細な文章にて綴られてゆく。標本をつくるという謎が多い仕事。僅かに怖さを感じながらも好奇心で引き寄せられてゆく。しかしそこには体温や物の温度を感じない。主人公の女性、名前が明かされていない。"君"、"わたし"という会話だけで体を許した関係が成り立ってゆく不自然さ。"靴"、"地下室"、"突然いなくなった以前の事務員"…色んな物が消えてゆく。感情や存在そのものがなくなってしまうんじゃないかと感じる。何もなかったかのように。妖しく幻想的に…
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- 感想投稿日 : 2018年5月3日
- 読了日 : 2018年5月3日
- 本棚登録日 : 2018年5月3日
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