三浦しをんの「舟を編む」を読んで彼女の作品をもう少し読んでみたいと思った。そこでこの作品を知った。文楽をベースにした物語であり、帯に同氏の「あやつられ文楽鑑賞」と併せて読むのが良いと書いてあったので素直に両方読んだ。第1章を読んだところで、どちらを先に読むか悩んだ。何しろ文楽には全く知識がない。そこで三浦氏が文楽にはのめり込んでいく様子を自ら描いたエッセイ「あやつられ文楽鑑賞」を先にして正解だったと思う。これを読んでいなければ、この物語を理解するのがかなり遅れたことだと思う。
文楽研修所出身の健が義太夫を語る大夫として、三味線の兎一郎らと共に成長していく姿を描く。師匠や兄弟子たちとの確執があったり恋をしたり、息をつかせぬストーリーはスリルさえ感じる。
私は文楽が全くの初心者であったが、それでも読むには問題なかった。かえって文楽に興味が湧いた。一度も見たことがないので、ぜひ鑑賞してみたいと思わせる小説であった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2014年12月30日
- 読了日 : 2014年12月30日
- 本棚登録日 : 2014年12月24日
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コメント 1件
yama40さんのコメント
2014/12/31