はなれわざ (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 8-3)

  • 早川書房 (2003年6月1日発売)
3.52
  • (8)
  • (17)
  • (22)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 182
感想 : 22
3

ハヤカワ書房のミステリ・ハンドブックで紹介されているのを見て,ずっと読みたかった海外ミステリ。なかなか売っている本屋を見つけることができなかったけど,ブックオフで発見し購入。2003年6月発売の初版本でした。手に入れることができたのはラッキーだった。ありがたや。
著者のクリスチアナ・ブランドは,一般的な知名度以上に,ミステリマニアやミステリ作家の人気が非常に高い作家という認識。個人的には,創元推理文庫の「招かれざる客たちのビュッフェ」という作品を高校時代に読み,当たり外れはあったものの,なかなか雰囲気がいい作品を書くな,と思った作家である。
「はなれわざ」は,そのブランドの代表作の一つ。スコットランド・ヤードのコックリル警部が探偵役を務めるシリーズの1作だが,物語の舞台はイタリアの架空の島,サン・ホアン・エル・ピラータ島。休暇を過ごすためにこの島を訪れたコックリル警部が殺人事件に巻き込まれる。クローズド・サークルっぽい雰囲気のフーダニット作品で,容疑者は6人。果たして誰が犯人なのか?
物語を彩るのは,片腕を失ったピアニスト,レオ・ロッドをめぐる恋の物語と,ルーヴァン・パーカーという作家の秘密。トリックは,被害者と犯人の入れ替わりなのだが,その伏線としてレオ・ロッドの変心を持ってきたり,そもそも入れ替わりというトリックそのものをダミーの解決にっもってくるなど,まさにはなれわざ!
ただ,翻訳物のさがなのか,訳者との相性が悪いのか,文章があまり肌に合わず,読みにくかったのが残念。読む前の期待度が高すぎたこともあり…★4まではいかず,★3で。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文庫25
感想投稿日 : 2015年9月15日
読了日 : 2015年9月15日
本棚登録日 : 2015年9月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする