再読。新選組三部作完結編。表題の「新選組物語」は、聞き込みされた談話もまじえつつ小説仕立てになっており、おそらくこれが作者の創作と資料部分の切り離しが一番難しい作品。すべて実話と誤解されやすいため、のちの新選組小説の元ネタになったものも多くある。
「新選組」と、最後の短編「流山の朝」は史実ベースといえど完全に小説とわかりやすい。「新選組/新選組聞書―稗田利八翁思出話―」のみ、タイトル通り、昭和13年まで存命だった最後の生き残り隊士・稗田利八(池田七三郎)に子母澤さんが取材した談話。やはり体験談がいちばん興味深い。
※収録
新選組物語(隊士絶命記/人斬り鍬次郎/死損ねの左之助/隊中美男五人衆/近藤勇の屍を掘る/壬生心中/かしく女郎/月下の死骸)/新選組/新選組聞書―稗田利八翁思出話―/流山の朝
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
◆幕末(小説)
- 感想投稿日 : 2022年2月9日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年9月21日
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