左少将の北の方が産んだ子は狐だった。姦通を疑う左少将は妻を遠ざけ、狐の子は殺される。しかしそれかあ北の方は狐の子(雌)のさまざまな幻覚に悩まされる。実は左少将はそれ以前から狐玉や管狐をコレクションしており、姦通どころか狐の子が生まれたのはこの少将の狐玉が原因。やがてそれ以前に生まれた二人の第一子・星丸がどんどん邪悪に成長し…。
物語自体は『ねむり姫』に収録されていたものなので既読。澁澤さんらしい、古典にありそうな題材でありながらオリジナルの理不尽展開をするところがいい。ただ鴻池朋子さんのイラストはそれほど好みではないため、それほど全体として特別感はなかった。あくまで好みの問題。あとがき代わりに収録されている澁澤さんのエッセイが私の好きな「愛慕の説」のやつで、それは嬉しかった。
※収録
狐媚記/存在の不安(澁澤龍彦)/神を呼びこむシャ-マン(三潴末雄)/澁澤龍彦航海記(高丘卓)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
○澁澤龍彦
- 感想投稿日 : 2020年2月25日
- 読了日 : 2020年2月15日
- 本棚登録日 : 2020年2月23日
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