スズキコージ挿絵とここまで絶妙にマッチするとは…。静かな心持ちで読み終えた。小森香折さんの叙事詩を思わせる神話的な作品。徒に感情を揺さぶることのない、どこか遠く突き放したような物語の文体、淡々していて読みやすい。月と狼、太陽王。例えば漱石の夢十夜、川上弘美の夢の描写。それらにも似た夢幻を感覚で描いたような異国情緒満ちる世界。挿絵のイメージとも相まって、好みはあるだろうがじわりといい。挿絵にひっぱられてるのかな、別役実のそよそよ族シリーズの夢幻イメージともつながっているような気がする。さまざまの民俗的な神話的アフォリズムにも満ちていて。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2014年3月9日
- 読了日 : 2014年3月9日
- 本棚登録日 : 2014年3月9日
みんなの感想をみる