十三月城へ エゼル記

著者 :
制作 : エクリ 
  • エクリ (2008年8月10日発売)
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本棚登録 : 27
感想 : 3
4

スズキコージ挿絵とここまで絶妙にマッチするとは…。静かな心持ちで読み終えた。小森香折さんの叙事詩を思わせる神話的な作品。徒に感情を揺さぶることのない、どこか遠く突き放したような物語の文体、淡々していて読みやすい。月と狼、太陽王。例えば漱石の夢十夜、川上弘美の夢の描写。それらにも似た夢幻を感覚で描いたような異国情緒満ちる世界。挿絵のイメージとも相まって、好みはあるだろうがじわりといい。挿絵にひっぱられてるのかな、別役実のそよそよ族シリーズの夢幻イメージともつながっているような気がする。さまざまの民俗的な神話的アフォリズムにも満ちていて。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年3月9日
読了日 : 2014年3月9日
本棚登録日 : 2014年3月9日

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