北森さん好きの人から評価が高い作品、というイメージがあったので購入してみた。だってわたしも北森ファンだもん。でも北森さんの個人認定割こう傑作はやっぱり「孔雀狂想曲」か「狐闇」だなあ。
たしかに屋上に置かれた物たちが語り手となったり、さくら婆ァの過去や興行師杜田、やんちゃな高校生タクなどの人間味あふれるユーモラスな描写や、容赦がない言葉達、もの悲しい過去などは北森鴻らしい。それをうまくまとめるのなんて、まさに北森鴻なのだ。
でも、なんか物足りない。もっともっと踏み込んで欲しかった。それはきっと物を語り手にしてしまったせいなのかもしれないが、もっと…!と求めるそれ以上の物をいくつも書いている作家さんだから。
ただ、解説はもの凄くいい!ああ、池袋ね。今度行こう、と思ってちょっと得した気分になったものだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
北森鴻
- 感想投稿日 : 2012年3月26日
- 読了日 : 2012年3月26日
- 本棚登録日 : 2012年3月26日
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