波止場日記――労働と思索 (始まりの本)

  • みすず書房 (2014年9月11日発売)
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感想 : 23
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とても面白くて時には歩きながら読んだ。人の日記はどうしてこんなに面白いんだろう。

沖仲仕として働く哲学者である、というホッファーのイメージがそのまま現れている。両者が両立することに矛盾?違和感?を感じ、だからこそホッファーが気になった人にとっては共感できる部分が多いだろうし、自分もそうだった。一方で求めていた物とも違ったという感覚もある。

多分それはホッファーが哲学的思考に向かったことによるように思う。ブコウスキーは詩と文学に向かった。孤独と葛藤で揺れる自分のバランスを取るために労働を選んだホッファーと酒とギャンブルを選んだブコウスキー。僕が慰められるのはブコウスキーにだ。

知識人への腹立ちや愛おしい存在をコントロールしたい欲求も、どれも理解できる。それを多くの人に伝わる思想に昇華させる力はやはりすごいのだろう。20年前なら心酔したかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月19日
読了日 : 2024年4月19日
本棚登録日 : 2024年4月19日

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