薬物とセックス (新潮新書)

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  • 新潮社 (2016年12月15日発売)
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■覚醒剤の薬理作用には男女の違いがある。効果は女性の方により強く具体的な形で現れる。その差を自分の利益に結びつけようとする男がいる。覚醒剤を享楽目的で使うケースが増えてきた。
■依存性薬物の分類
①モルヒネ型(抑制作用,アヘン,モルヒネ,ヘロイン,コデイン)
②バルビツール酸系催眠剤及びアルコール型(抑制作用,バルビタール,フェノバルビタール,フルニトラゼバム,トリアゾラム,アルコール)
③コカイン型(興奮作用,コカイン)
④大麻型(抑制作用,マリファナ,大麻樹脂,ハシッシュオイル)
⑤覚醒剤型(興奮型,アンフェタミン,メタンフェタミン)
⑥カート型(興奮作用,カート,カチノン,カチン)
⑦幻覚剤型(興奮作用,LSD,PCP,メスカリン,MDMA)
⑧有機溶剤型(抑制作用,シンナー,トルエン,酢酸エチル)
■危険ドラッグは過去「合法ドラッグ」「脱法ドラッグ」「脱法ハーブ」「違法ドラッグ」「違法薬物」など呼び名の変遷があるが2014年以降はすべて「危険ドラッグ」と呼ばれる。
・合成カンナビノイド系,合成カチノン系,幻覚系の3系統
■「つぶれ」とは,薬物による多幸感の後の激しい抑うつと興奮及び薬物渇望の状態をいう。
■1回だけでも「乱用」になる。
■医薬品はその使用量や使用方法が同じであっても薬理作用が同じように現れるとは限らない。
・薬物に対する反応性「薬物感受性」に違いがある
・男女によっても差異があり女性は男性に比べ薬物感受性が高いと言われている
・子供と高齢者は薬物感受性が高い。これは肝臓の代謝機能と腎臓の排泄機能の問題で,子供は未成熟,高齢者は機能が低下しているため
・個体差もあり人により全然違う
■2015年の全国警察における覚醒剤検挙人員は11022人でほぼ前年並み。
・40代:34.3%(2,324人)
・30代:30.7%(3,383人)
・50歳以上:21.1%(2,324人)
■再犯率は全体で64.8%に達する。
・50歳以上:83.1%
・40代:72.2%
・30代:57.9%
■薬物対策は次の四つが上手くいってこそ成果があるもの。
①正規麻薬等の厳格な管理
②不正麻薬・覚醒剤等の取り締まり
③予防啓発
④依存・中毒対策
■覚醒剤の生涯経験率は0.4%とされる(厚生労働省研究班調査)
・人口一億人として約40万人
・アンケートなので少なくともこの倍以上,100万人はいると推計される
■覚醒剤は「前借りのクスリ」といわれる。寝ないで頭や身体を動かしていたければ明日の分明後日の分までエネルギーを前借できる。
■「覚醒剤やめますか,それとも人間やめますか」は真実を語る至言。
・覚せい剤そのものが人体に加える罰があまりにも苛酷

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年1月11日
読了日 : 2017年1月10日
本棚登録日 : 2017年1月10日

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