【読もうと思った理由】
元々本屋大賞1位の文庫化された作品は全て読んでいた。「52ヘルツのクジラたち」は、まだ文庫化されていなかったが、たまたま行った図書館で、貸し出し可能状態で置いてあったので借りて読む。
文庫化を待つより図書館の方が早く読めると分かり、今後の図書館利用の方法が広がった。
【あらすじ】
52ヘルツのクジラとはー
他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる。
【読後の感想】
今までそれなりに本を読んできたが、こんなに心を動かされた本は、記憶にない。
それほどに、胸に心に言葉が突き刺さる、感動作だ。
ページ数は単行本で260ページ程。
特に難解な表現もないので、ゆっくり噛み締めて読まなければ、4〜5時間で一気読みできてしまう小説だ。
最近理解するのが難しい本を、徐々に読むようになってきたので、本の読み方が変わってきた。なので、あえてゆっくり一語一語を噛み締めつつ読んだ。
ネタバレになってしまうので、内容は書けないが、貴瑚が実家を出で行くシーンは、この上なく感動するシーンだ。このシーンのみで付箋を5.6箇所貼り付けてしまった。小説は単行本は買わない主義なのに、この本だけは何度も読むために、文庫化を待てずに単行本を購入してしまうんだろうとさえ思ったほどだ。
【読後に得た気づき】
多分人間ってどんなに大人になって人格が向上しようと、生きていく上で不安は無くならないと思う。そんな不安で堪らなくなったときに、常にそばに居て、自分の味方でいてくれる人が一人でも居てくれたら、この上なく安心して生きていけるんだと思う。
貴瑚が心に大きな傷を抱えながらも、相手の支えになり続けようとする姿に共感し、感動した。
【雑感】
やはり本屋大賞1位は裏切らない。今年も4月12日発表予定だが、今から発表が待ち遠しい。
- 感想投稿日 : 2023年2月16日
- 読了日 : 2023年2月16日
- 本棚登録日 : 2023年2月12日
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