52ヘルツのクジラたち (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
4.23
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本棚登録 : 17600
感想 : 1537
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120052989

作品紹介・あらすじ

「わたしは、あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ」

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。

孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会う時、新たな魂の物語が生まれる。



注目作家・町田そのこの初長編作品!

感想・レビュー・書評

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  • 『クジラ』と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?

    “ホエールウォッチング”、とその生態を鑑賞するイメージが思い浮かぶ一方で、”捕鯨”、そして”食す”というイメージも浮かびます。”見る”対象であり、”食べる”対象でもあるという、なんとも相反した対象として位置づけられる『クジラ』。そんな生き物は他にいないのではないか?と思えるくらいに『クジラ』とは不思議な、もしくは微妙な立ち位置にいる生き物だと思います。そんな『クジラ』は声を出しコミュニケーションをとっているとも言われます。実に何百キロもの先まで届くというその声。『クジラはね、海中で歌を歌うようにして仲間に呼びかけるんだって。すごいよね。あんなに広大で深い海の中で、ちゃんと仲間に声が届くんだよ。きっと、会話だってできてる』という『クジラ』のコミュニティ。そんな声には、携帯電話の電波のように周波数があります。いくら強い電波を出したとしても、その周波数を受けることのできない携帯電話ではその通信を受けられないのと同じように、届く声と届かない声があるという『クジラ』の声。概念こそ違えどこれは人間も同じです。人間にも届く声と届かない声があります。そんな届かない声、言わば”声なき声”に光を当てるこの作品。いくら叫んでも、いくら求めても、誰にも気づいてもらえない声がある。そして、誰にも気づいてもらえない人がいる。この作品は、そんな人たちの声に静かに耳を傾け、”群れ”で生きていく人間を感じる物語です。

    『明日の天気を訊くような軽い感じで、風俗やってたの?と言われ』、言葉の意味が分からずきょとんとしたのは主人公の三島貴湖(みしま きこ)。『はっと気付いて、反射的に男の鼻っ柱めがけて平手打ちした』という展開。『失礼なことを言ってきた男は、わたしが家の修繕をお願いした業者』の村中。『すんません、すんません。眞帆さんに悪気はねえんす。ただ、頭の中のこと垂れ流しで』と謝るのは部下のケンタ。『職に貴賎はない。それは分かっているけれど、しかしあまりにも無神経な物言い』と感じる貴湖。『ばあさんたちの噂とは違うみたいだから』否定してやろうと思ったと言い訳する村中。『そういう仕事に就いたことはない。追ってくるようなヤクザもいない』と言いながらも『だんだん腹が立って来る』貴湖。『なんでわざわざ、こんな説明をしなきゃならないんだ』、『ああ、もう。引っ越してくる土地を間違えたのかな。他人と関わり合いたくなくてここまで来たのに』と三週間前に越してきたことを後悔する貴湖。『一緒の空間にいたくない』と思い、『床直したら、さっさと帰って。十八時まで出てるから』と言い残して家を出る貴湖。『住む家は、小高い丘のほぼ頂上にある』という貴湖の家。『あの家で、静かに暮らすつもりで越してきた。ひとりでそっと生きていきたかった』という貴湖。『まさかこんな風に土足で踏み込んでくる人間がいるなんて』、『ムカつく』という貴湖は『MP3プレーヤーを取り出し』、『イヤホンを耳に』します。『目を閉じて、耳を澄ます。遠く深いところからの歌声が、鼓膜を揺らす』というその再生音。『泣いているような、呼びかけているような声』を『聴きながら、アンさんを思い出す』貴湖。『アンさんだったら、笑うだろうな』、『でも、アンさんはもういない』と思う貴湖は『どうして、わたしを一緒に連れて行ってくれなかったの?』と呟きます。そんな時『手の甲に何か当たって目を開け』ると勢いよく雨が降りだし雨宿りすることにした貴湖。そんな時ひとりの子どもが傘もささずに歩いてきました。『ねえ、あんた。こっちで雨宿りしたら?』と思わず声をかける貴湖。『線の細い体つきで、中学生くらいの女の子』だと思う貴湖は、さらに『おいでよ』と手招きします。『女の子は足を止め、不思議そうにわたしを見つめた』という次の瞬間、再び歩き始め、『あっという間に、雨の向こうに消えていった』というその『女の子』。そんな『女の子』とやがて運命の再会をすることになる貴湖。そしてそのことが『ひとりでそっと生きていきたかった』という彼女の人生を大きく動かしていきます。

    「52ヘルツのクジラたち」というなんとも印象的な書名のこの作品。『クジラ』というと、私も”ホエールウォッチング”で船上からその姿を見たことがあります。海中から潮を吹き上げその巨体を一瞬見せたかと思うとまたすぐに海中へと戻っていくその巨体。体長が4mより長いと『クジラ』と分類され大きいものでは30メートルにもなるというその巨体。しかし一方で彼らが生息する海はあまりに広く、あまりに深いものです。そんな大海原を一生移動しながら過ごす彼らは『だいたい10から39ヘルツっていう高さで歌』い、仲間通しのコミュニケーションを取っていると言われています。そんな大切なコミュニケーションの手段にも関わらず、他の『クジラ』と異なり52ヘルツという極めて高い周波数を出すもの、それが”世界でもっとも孤独なクジラ”と言われ、この作品で象徴的に取り上げられる『クジラ』です。そんな『52ヘルツのクジラに重ねてイメージしたのは、声なき声を発している存在でした』と語る町田そのこさん。『声なき声』という言い方は色んな場面で使われますが、この作品で町田さんが光を当てていくのは『虐待にあっている子どもなど、切実に助けを必要としている人たち』です。実母からの虐待を受けて育った主人公の貴湖。そんな貴湖は『言うことをきけ。パン。頬が鳴り、わたしはその衝撃で目を覚ます』と、母親から離れても過去の記憶が夢にたびたび蘇るほどの辛い過去を抱えていました。そんな貴湖について、『クジラ』が”音”で仲間の気配を察していくのに対して、”匂い”で同類を嗅ぎ分けるというこんな表現が登場します。『この子からは、自分と同じ匂いがする。親から愛情を注がれていない』というその表現。そんな『孤独の匂い』を出会った中学生『52』から感じ取る貴湖。『この匂いはとても厄介だ。どれだけ丁寧に洗っても、消えない。孤独の匂いは肌でも肉でもなく、心に滲みつくものなのだ』と絶妙な表現で虐待による『孤独』に光を当てていきます。私たちは日々の集団生活を営む中で不思議とこのような科学的には検知しようのない感覚を察することがあるように思います。貴湖が感じるのは『孤独の匂い』ですが、それは人によって異なると思います。私にも上手く言葉にするのが難しいですが、そのような人の『匂い』を感じる、もしくは感じたことがあります。それは『わたしのように』と貴湖が語る通り、自分と同じ何かしらその集団の中で、自分と同類であることを察するものなのだと思います。”心の機微”という言い方がありますが、おそらくはそれを察する中で感じる、不思議な人間の感覚、それこそがこの『匂い』という表現で表されるもの。貴湖は、『この匂いが、彼から言葉を奪っているのではないかと思う』と、人間社会で最も重要なコミュニケーション手段である言葉が、この『孤独の匂い』によって削がれていると、さらに切り込んでいきます。そして、そのことと52ヘルツという他の『クジラ』には聞こえない声を出す『クジラ』のことを上手く重ね合わせながら物語は展開していきます。そんな『クジラ』というどこか神秘性を帯びた生き物を対比させることによって、知能が高く人間と同じ哺乳類でもあるその存在が感じる大海原での孤独感を上手く滲ませながら独特な世界観を作り出すことに成功しているように感じました。

    そして、そんな主人公の貴湖は『今でも、眠れない晩や寂しくて死にそうな時には52ヘルツのクジラの声を聴いて』心を落ち着かせています。人が生きていく中で言葉はとても大切です。一人になりたいと思う時間があったとしても、ずっと人とのコミュニケーションがない時間が続くと、人はそれに耐えられなくなっていくものです。主人公の貴湖も『もう、誰とも関わり合いたくない。そう願ってそれを叶えた』にも関わらず、一方で『温もりを求めている。寂しいと思ってしまう』と感じています。『寂しさを知る人間は、寂しさを知ってるからこそ、失うことに怯える』という人と人との関わり合いの大切さ。コミュニケーションとは、その双方が声を発しながら成り立っていくものです。声なき声に耳を傾けて、その声を聞くことができたなら、今度はそれに応えることで始めて交わりが生まれていきます。『ひとというのは最初こそ貰う側やけんど、いずれは与える側にならないかん。いつまでも、貰ってばかりじゃいかんのよ』という人と人のコミュニケーション。これができなければ、やはり声なき声はいつまでも聞こえないのと同じことなのだと思います。『一度目は声を聴いてもらい、二度目は声を聴くのだ。このふたつの出会いを、出会いから受けた喜びを、今度こそ忘れてはならない』と貴湖が思い至るその先の人生。そこには声なき声というものがこの世にあることを身をもって経験した貴湖だからこそ、今度は自身がその声に耳を傾けることができるんだ、貴湖の苦しみは、その声に耳を傾けて、その声を受け止めることができたことで、ようやく次のステージへと進むことができるんだ、そう思いました。

    『52の声を最初に聴いたのは貴瑚一人だったかもしれないけれど、彼女をきっかけに52のまわりには人が増えていった。人はそんなふうに“群れ”となって生きていくんじゃないのかな、と思います』と語る町田さん。人は”群れ”の中で生きる生き物です。多くの人々と関わり合う毎日の中では、無意識のうちに聞き逃してしまう声も多々あるのだと思います。聞こうとしなければ聞こえてこない声もあるのだとも思います。そして、ニュースとなって初めて、そこに”声なき声”を発していた人がいたことを知る私たち。そんな”声なき声”の存在を『クジラ』というまさかの存在を象徴的に重ね合わせて描いていくこの作品。

    手を差し伸べられた過去を思い、『あんたには、もっと仲間がいるかもしれない。ううん、きっといる』と信じて、今度は手を差し伸べる側に回る貴湖。”ひとりじゃない”、と、”声なき声”に光が当たるその結末に、”群れ”で生きる人間社会に救いの光を見た、そんな作品でした。

  • 貴瑚は、どうすれば良かったのだろう。

    貴瑚もアンさんも、もう少し素直だったらこんな悲劇的な結末を迎えなくても良かっただろうに。
    「でも、これがあったから愛が救われた」とは結果が良かったからそう言えるのであって、悲劇的な結末なんて無いに越したことはない。

    アンさんの想いを想像して、丸一日、本を読み進めることができなかった。

    アンさんの自宅に警察や救急隊が押し掛けた時、アンさんのお母さんが遺体をバスタオルでくるみながら「女の子やけん、見んといてください。せめて女性ば呼んでください」と叫ぶ気持ちも切ない程よく分かる。トランスジェンダーを受け入れられないお母さんの苦しさと受け入れてもらえないアンさんの苦しさ。両者とも相手の事を愛している優しさに溢れているだけに苦しい。

    村中のおばあさんの「ひとというのは最初こそ貰う側やけんど、いずれは与える側にならないかん」という言葉。貴瑚はアンさんから貰ったので、次は愛しに与える側になったという事なんだろう。

    でも本来は最初に貰うのは親からの愛情のはず。それを貰っていない貴瑚が、もう与える側に回るのは早すぎる。だから愛に与えてるように見えて、貰っている側でもあるんだろう。

    アンさんの最期の衝撃がなかなか消えない。

  • ページを捲る手を止められませんでした。そして読み終わった今、とても疲れています。夢中になってしまう本は体力を消耗する‥‥

    何を書いたらいいのか、何を書いてもネタバレになってしまう気がして。何の予備知識もなしに読んでもらいたい。

    頼れる人のいる幸せ。そして時が経てば自分が人から頼られる存在になっていられるように。

    さすが、本屋大賞ノミネート作品。私も書店員ならこの本、推します。

  • 本屋大賞2021のノミネート作。
    ダ・ヴィンチのブック・オブ・ザ・イヤーでも4位。
    ー ということで購入。書店の隣の喫茶店で一気読み。文句なしの評価5。

    52ヘルツのクジラの鳴き声は1980年代からさまざまな場所で定期的に検出されてきたと言う。そのクジラはその周波数で鳴く世界で唯一の個体。他の鯨には聴こえない。仲間はおらず一匹で泳ぎ続けている「世界でもっとも孤独な鯨」の鳴き声だ。

    人生の時間を家族に搾取されてきたキコ。虐待を受けて、言葉を発することができなくなったムシと出会う。そして、奇妙な共同生活。
    キコはムシの52ヘルツの声を聴き取ることができるのか?

    生きていく上で、誰かの声無き声を、受けとめることができる感受性が必要なのだ。誰の声でもいい、ほんの一回でもいいから、気づくことができれば、それだけできっと世界は大きく変わる。

    そして、虐待をする側にも、52ヘルツの声がある。

    いろいろ考えされられました。

    凪良ゆうさんの「流浪の月」が好きな人はきっとこの小説にも嵌る。2021年の本屋大賞、最有力候補と見た。(ノミネート作品、まだ全部読んだわけではないけれど…)

  • 本屋大賞受賞作と聞いても、虐待を受けてきた女性が虐待を受けている子供と出会って救おうとする話と聞いても、実は特に気になっていなかったのですが、カバーの深い群青色が気になって書店で立ち読み。これは、好きかもしれない、と買って帰って一気読みでした。

    キナコが抱えてきた深い傷、52の絶望感、そして何より胸締め付けられたのは、キナコを絶望の淵から救い出したアンさんの救われなかった人生。
    重くて辛いエピソードがとにかく多いのですが、読んでいて鬱々とならずにすんだのは、キナコの親友美晴の強い明るさとと、村中の真っ当な素直さが救いになっているからだろう。

    幸せになるためには、強くならないといけないんだなと思う。
    強くなるためには、信じられる誰かの存在が、そして自分自身を信じられるようになる事が必要なんだと思う。

    キナコにも52にも幸せになってほしい。


    ところで作中では語られなかったけれど、姉がずーっと酷い虐待を受け続ける家で、その両親に溺愛されて育った弟ってどんな思いでいるんだろって事がなんだかひどく気になった。

  • 本屋大賞とのことで気になっていた本作。
    ついに我慢できなくなり購入、読了。

    素直に書くと「良作ではあるけども傑作ではないかなぁ…?」という感じ…
    ちょっとハードルを上げ過ぎちゃったのかもしれません…m(_ _)m

    ストーリーはとても上手くまとまっていると思います。
    それぞれの不幸をしっかりと消化しながら、最終的には綺麗にハッピーエンドへ繋げる形。
    「貴瑚が刺された理由」とか「アンさんが告白できなかった意味」あたりの重要なポイントは、読み手の予想をするりと避けながら良いオチに持って行けていると思いました。

    総じて、プロットが非常に良くできているなぁと。
    受賞も納得のクオリティーでした。

    一方で、個人的にはちょっと全体的に不幸過多過ぎるというか…
    出てくる登場人物達の不幸具合が多過ぎやしないかなぁと…(笑)

    みんな揃いも揃って親に愛されてないとか、離婚してるとか、えげつない虐待されてるとか…
    ちょっと、そういった負の設定があまりに多過ぎて、何となく作者の思惑を意識してしまった部分がありました。
    感動を誘うためのフリというか…

    ただ、本屋大賞を取っているくらいなので、どちらかというと自分の方が世間からズレているんでしょうね…(笑)

    本筋とは全然関係無いんですが、ちょうど小倉に住んでいるので知ってる場所が物語に出てくるのは単純にテンション上がりましたね(笑)

    とりあえず、チャチャタウンの観覧車にでも乗りに行こうかな…(´∀`)

    <印象に残った言葉>
    ・死ぬくらい追い詰めてくるものはもう「恩」とは呼べないんだよ。それは「呪い」というんだ(P86)

    ・でも、わたしはちゃんと声を聴いてくれたひとに出会えた。アンさんが、仲間のいる世界に助け出してくれた。それだけでしあわせだと思えたあの時のことを、忘れちゃだめだ。声が届いた喜びを、忘れちゃだめだ…。(P117)

    ・ひとというのは最初こそ貰う側やけんど、いずれは与える側にならないかん。いつまでも、貰ってばかりじゃいかんのよ。親になれば、尚のこと。(P224、村中のあばあさん)

    ・あれはあんたの娘だよ。子育てをしちゃいけないってところが、よく似てる(P229、村中のあばあさん)

    <内容(「BOOK」データベースより)>
    52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる―。

  • 出逢えて良かった一冊。

    それぞれが抱える苦しみ、諦めの人生、孤独、言葉よりも流れる涙、声なき心の叫びに何度も自分の心は荒波に襲われ、心があちこち波に削られていくような時間だった。

    声を聴いてもらうその喜びを次なる誰かへと繋ぐバトン。
    それを教えてくれたかけがえのない人の存在、想いに何度も胸が苦しみに締め付けられた。

    声を聴く、届いた瞬間はきっと心の奥底が共鳴した瞬間。

    お互いに守り守られていること…そっと交わす約束。

    夜の海に心にもようやく凪が訪れる。

    本を抱えたくなる。

    あなたが、君がいてくれて良かった。
    そばに、心にいてくれる、そんな安心感を得られて良かった。

    この作品に出逢えて良かった!

  • 主人公のキナコ、母親からの虐待、義父への強制介護、心も身体もボロボロになりながら懸命に尽くす。さらに、上司から肉体関係だけの関係性を迫られ了承する。そこを脱したのは、彼女を思う美晴、アンさんの支援だった。さらに、同じ境遇にある「いとし」。彼を守りたいと思うキナコの情愛、そこからキナコが人間的に成長し、いとしと一緒に笑い合える姿が目に浮かぶ。暴力、虐待、DV、信じられない状況に曝される人がいる。これこそ、最恐の不条理。その不条理から救い出してくれる人が必ずいるんだよ、とう町田さんのメッセージは伝わった。

    • ゆうママさん
      ポプラさん、確か大学院まで勉強したんですよね。お医者さま?
      検査技師?気になる!!
      ポプラさん、確か大学院まで勉強したんですよね。お医者さま?
      検査技師?気になる!!
      2021/06/12
    • ゆうママさん
      ごめんなさい(^-^;
      あまり、詮索しないほうがいいね。
      知らないでいるほうが、お付き合いしていくのが楽かも・・・・
      知り過ぎないほうが、き...
      ごめんなさい(^-^;
      あまり、詮索しないほうがいいね。
      知らないでいるほうが、お付き合いしていくのが楽かも・・・・
      知り過ぎないほうが、きっとm(__)m
      2021/06/12
    • ポプラ並木さん
      ゆうママさん、お気遣いありがとうございます!まぁね、別サイトの読み友さんから、「ブクログも夢の国なので趣味を楽しもう」と言われたことがありま...
      ゆうママさん、お気遣いありがとうございます!まぁね、別サイトの読み友さんから、「ブクログも夢の国なので趣味を楽しもう」と言われたことがあります。ゆうママさんのためにも、自分のためにも非現実世界を楽しむ方がいいかもね~妄想を繰り広げましょう。プロフィールは嘘はありませんよ!では、今日も良い一日を!
      2021/06/13
  • 周波数52ヘルツの高音でしか歌えない不器用なクジラ。
    広い海の中で確かに歌っているはずの、その悲鳴にも似た歌声を受け止めてくれる仲間は残念ながらどこにもいない。
    単なる周波数の違いから孤独に苛まれる可愛そうなクジラ。

    けれどそれは海の中だけではない。
    陸の上でも孤独に耐え忍ぶヒトがいる。
    寂しさに押し潰され周囲の人たちになかなか受け止めてもらえず、声にならない悲鳴をあげて。
    誰よりも深い温もりを求めて。
    出来損ないなんかじゃない。
    上部だけの優しさなんか要らない。
    心に秘めた気持ちを分かってほしい。
    認めてほしい。
    ありのままの自分を受け止めてもらえない辛さを抱える陸の52ヘルツのクジラたちの、祈りにも似た心の叫びが周りの人たちに伝わった時、読んでいる私も救われた。
    優しく受け止めてもらえたならば大丈夫、もう一人じゃない。

    これは小説の中だけの出来事ではない。
    リアルな日常でも起こっていること。
    救い救われ寄り添いながら、生きづらい世の中を泳いで行かなければならないしんどさに、胸が苦しくなる。
    リアルな世界で苦しむあの子の声も、どうか周りの人たちに届きますように。
    キナコと52のように笑って前へ進めますように。
    そう願いながら本を閉じた。

  • 寂しくて死にそうな時に、52ヘルツを聴く。
    世界で1番孤独だと言われている、他の仲間と周波数の合わないクジラの声。

    貴瑚は子供の頃から虐待を受け 、大人になっても義父の介護をやらされていた。そんな時、ぼうっと街中を歩きまわっていた貴瑚は、高校時代の友人美晴に会う。美晴の知人は貴瑚を辛い生活状況から助け出す。

    助けてくれたのに・・・・その後貴瑚の
    恋愛は 、、、大きな悲しみを落とす。

    貴瑚は祖母が住んでいた家、田舎の港町へ移り住む。何もかもリセットしてしまいたかった。・・・・そんな時、少年に出会った。少年は昔の私と同じ目をしている。貴瑚は放って置けずクジラの声を聴かせる。虐待をされていたのだ。

    ・・・・美晴がいてくれて良かったと思う。行動に、気持に寄り添ってくれる、貴瑚の事情を知った人。
    ふたりは少年を助け出そうと働きかけ、世話をしてくれる人を探す。
    ・・・・今はまだ、少しの間だけ離れて暮らすがいつかは少年と暮らせそうだ。

    貴瑚はまた独りになっても、もう大丈夫
    ではと思う。海辺の町に少しずつ慣れて
    人々も、温かみを持った人がいるよう
    だし・・・・

    2021、9、6 読了

    • ゆうママさん
      こんばんは☆
      今夜もしくは明日には、レビューupします!
      何て書こう?
      道尾秀介さんは大変だ~
      こんばんは☆
      今夜もしくは明日には、レビューupします!
      何て書こう?
      道尾秀介さんは大変だ~
      2021/09/17
    • ゆうママさん
      ポプラ並木さん

      さっきのコメント届いていますか?
      ポプラ並木さん

      さっきのコメント届いていますか?
      2021/09/17
    • ポプラ並木さん
      届いていますよ☺️楽しみにしてます
      届いていますよ☺️楽しみにしてます
      2021/09/17
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著者プロフィール

町田そのこ

1980年生まれ。福岡県在住。「カメルーンの青い魚」で、第十五回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。2017年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。他の著作に『ぎょらん』『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―』(新潮社)、『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)がある。

「2021年 『星を掬う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

町田そのこの作品

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