壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2002年9月3日発売)
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本棚登録 : 7835
感想 : 805
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※作品全体を通しての感想は、下巻に纏めて書きます。

【読もうと思った理由】
直近で読んだ「破戒」の感想欄(雑感)にも書いたが、本書を読もうと思った理由は、会社の同僚に勧められたからというのが、一つのの理由である。実はもう一つ心を動かされたエピソードがある。それは、何度か感想にも書いたが、いま時代小説を書いている現役作家の中で、もっとも勢いのある作家の一人といえば、今村翔吾氏であろう。ご多分に洩れず、僕も好きな作家だ。

僕が作家を好きになるときは、小説から好きになる作家も勿論いるが、最近はその作者が書いたエッセイや対談集、はたまたYouTubeなどを観て興味関心を持つことも、多くなってきた。今村翔吾氏は、ご自身でYouTubeチャンネルも持ってはるし、他のチャンネルにゲスト出演していることも、実は結構ある。おそらくではあるが、メディアに露出することが、嫌いではないタイプなんだろう。その今村翔吾氏が、“ブックマちゃん“というYouTubeチャンネルの「作家今村翔吾が好きな本ベスト3 」という動画で話していた。

そこで取り上げていた本のタイトルは、一冊目が、池波正太郎氏の「真田太平記」、二冊目が、北方謙三氏の「破軍の星」、三冊目が、浅田次郎氏の「壬生義士伝」であった。デビューしてたった5年で直木賞を受賞した今村翔吾氏をして「壬生義士伝」は、小説を書く際の「教科書」だと、動画ではっきり言い切っていた。読者を作品に没入させる能力を、僕が今もっとも感じられる現役作家が、今村翔吾氏だ。その今村翔吾氏をして、小説を書く時の教科書にしているという作品は、読むべき作品だと思った。

【浅田次郎氏って、どんな人?】
1951年12月13日、東京生まれ。13歳の時に「小説ジュニア」(集英社)への初投稿以降、様々な職に就きながら執筆活動を続け、1991年『とられてたまるか!』で小説家デビュー。1995年『地下鉄(メトロ)に乗って』(徳間書店)で吉川英治文学新人賞受賞。1997年『鉄道員(ぽっぽや)』(集英社)で直木賞を受賞し、1999年には高倉健主演により映画化、第23回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀主演男優賞など数々の賞を受賞した。2011年から2017年まで、日本ペンクラブの会長を務める。 

初の時代小説である『壬生義士伝』は1998年9月から2000年3月まで、週刊文春にて掲載され、2000年に文藝春秋より単行本化、同年、第13回柴田錬三郎賞を受賞した。その後、2006年には『お腹召しませ』(中央公論)で第1回中央公論文芸賞と第10回司馬遼太郎賞、2008年には『中原の虹』(講談社)で第42回吉川英治文学賞、2015年には学術芸術上の事績著名な作品の創作者に授与される紫綬褒章など、数々の賞を受賞している。 商社マンとしての定年を迎えた日に脳梗塞で倒れた男の奇妙な体験を綴る、毎日新聞朝刊の連載小説『おもかげ」は、2017年に書籍化され、「浅田文学の傑作」と称賛された。

時代小説や短編・長編小説の他、エッセイも数多く手がける。JAL機内誌「スカイワード」に連載されていた『アイム・ファイン!』(小学館文庫)は2011年に、旅と食と感動のエッセー集『パリわずらい 江戸わずらい』(小学館文庫)は2016年に書籍化された。

【雑感】
現状、積読本が結構溜まっているので、このタイミングで、なるたけなら積読本を消化していこうと思っています。多分もっとも積読本で手付かずの本は、5年以上放置している本もあると思います。よって、現在の僕の興味関心のある本と、ズレている本も当然あるかと思いますが、そこはご容赦いただきたく存じます。当たり前のことだが、本は購入した時がもっとも興味関心があるのだから、そのタイミングで読まないといけないなぁと、心底思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年7月16日
読了日 : 2023年7月16日
本棚登録日 : 2023年1月24日

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