史上最強の哲学入門 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社 (2015年11月5日発売)
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本棚登録 : 5015
感想 : 335
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【読もうと思ったきっかけ】
先日、シリーズ本の「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち」を読み、非常に面白く哲学に対する興味が増したため、先に刊行されていた本書を読むに至る。

【読後の感想】
素直な感想として非常に面白かった!
哲学の入門書としては、かなりの良書だと思います。何よりも読了後に「哲学に関してもっと知りたい」という欲求を起こさせてもらったことが、入門書としての価値が非常に高いと思います!

本の構成としては、以下4つの構成からなっており、
①真理の真理
②国家の真理
③神様の真理
④存在の真理

31人の歴代の哲学者を要点を纏めて書いてくれている。東洋編と比べると登場する哲学者の数がかなり多いが、ほぼ全ての哲学者の思想に共感できたり、何かしら興味を持てた。

【特に感銘を受けた箇所】
・ソクラテスの無知の知
最近、色々な種類の本を読むようになり、知識が増えれば増えていくほど、自分が何も知っていないことを体感的によく感じるようになっていた。ただそこで諦めるのではなく、『知らないからこそ、もっと知りたい』欲求が増えてきて、読みたい本だけが溢れている状態だ。まさにこのような状態がソクラテスのいう『無知の知』なんだろうなぁと思った。

・ソシュール 差異のシステム
ソシュールの考え方では、「モノがあるから、それに対応する言語が発生したのではなく、区別する価値があるから、その区別に対応する言語が発生した」という考え方だ。
例えば、日本語では、「蝶」と「蛾」を区別して別々の言葉で表現しているが、フランス語では「papillon(パピヨン)」という一つの言葉で表現しており、これを区別していない。
日本人とフランス人では、育ってきた文化(価値観の基盤)が違っており、それぞれの言葉によって、「区別の体系(価値の体系)が、「言語の体系」として目に見える形で表現されており、これこそが、ソシュールが、「言語とは、差異(区別)のシステムである」という箇所は凄く納得感があった。

最初は哲学と言語学は全く別物なのに、なぜ言語学と疑問に思っていたが、何をより詳細に言語化するかは、その文化圏に住む人が何に価値を置くかによってくるとの考え方では、哲学と言語学もかなり似ているなぁと感じた。

【雑談】
言語学にしても哲学・歴史にしても最近になって興味が出てきた分野だが、本当の最初のきっかけはどちらもYouTube(言語学は「ゆる言語学ラジオ、歴史・哲学は「コテンラジオ」)なので、YouTubeも見る番組を厳選すれば、為になる良い番組もあると感じています!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典
感想投稿日 : 2023年2月10日
読了日 : 2023年2月10日
本棚登録日 : 2023年1月25日

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