受験必要論 人生の基礎は受験で作り得る

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  • 集英社 (2013年10月4日発売)
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3)社会において全員が勉強をできるようになる必要はない。しかし誰もが豊かな考える力を持つべき。社会に出てからも時には答えのないような問題まで解いて物事を解決し創造していかねばならない。受験勉強には必ずわからない問題にぶち当たる。そこでわからないなあ、どうやったらわかるのかなあと必死に考える時間こそが尊い。
65)センター試験は現代文の基礎力養成にも適した教材。選択肢を見ないで答えを記述していく方法をとる事で基礎作りができる。
69)日本の受験は階級差別や写真審査がない。答案に書いたものだけで判断する。こんなに公平なものはない。東大に上位で受かる力を持つ生徒が早稲田を受けると100%通るというのは公正だから。特に国公立大は科目数が多く1本の物差しで測るわけではない。
70)都会の進学校にいるだけで受かりやすい。受験生は周囲の仲間から学ぶことが大きい。大都市の進学校でたくさんの優秀仲間を見て俺もまだまだと思いながら育つのと地方で自分はすごい勉強をしてるとお山の大将状態で育つのでは基準が大きく違ってくる。
80)入試の出題範囲は情報量が相当ある。漫然とやっていたら頭に入れる事はとても困難で自分なりに工夫してやりたい事も犠牲にしつつ地道に勉強するしかない。難関大学に受かった生徒はそういう事をしっかりやってきたという事を証明している。学歴はある決められたことをある水準で仕上げることができた忍耐力の証明書として企業が学生を選ぶ基準として採用されている。実際社会に出てからも必要な力である事は間違いない。
83)人は過去を今の色に染めるもの。今が悪いと過去の事までぐちゃぐちゃ言い出す。今うまくいっている人は過去を笑い話にできる。
86)ちゃんと戦ってしっかり負ける。戦わなければ負けもしないが自分と向き合う事には繋がらない。今のように厳しい世の中では自分はどういうところで勝負したら勝てるのか逆に負けるのかという事を知らなければならない。進学校にいるメリットの1つがそういう事が早い時期にわかる。100番位でも東大に受かる進学校で受かったとしてもトップと自分は全然違うと負けを感じることもある。これは受験という物差しで測った時の負けに過ぎない。だから社会に出た時に別の物差しで勝てばいい。そういう感覚を持つ事は真剣に生きることにつながる。
88)気分が乗ってくるのを待つ事はない。何より大切な事はまず着手すべき事を知るべし/パールバック
156)仕事は趣味ではない。だからお金を払ってくれた人に対して責任を果たせたかどうかそうやって責任を果たした自分にプライドを持てるかどうかそれだけでいい。喜びや楽しみは趣味の世界にとっておく。
158)現代文とは筆者という1人の人間が伝えようとしている事を出題者というもう1人の人間と同じわかり方ができるという証拠を出題者=採点者に提出する科目。伝え方とわかり方の科目。出題者と同じわかり方ができると得点という評価につながる。
182)受験勉強で得た入試で点数を取れる能力は今後の人生で1回も使うことはないかもしれない。けれども16~18歳の時期に1つの目標に向けて欲望を抑制しつつ結果を出すことができたとすればそれは一生の自信になり得る。俺はやればできると自分をごまかす生き方はみじめ。一方でどんな事であれ実際にやって結果を出した事から得られる自信は確かなもの。
196)学校の先生は生活指導と学習指導をしなくちゃいけない。一方予備校講師は学習指導だけしていればいい。予備校講師は教育者ではなくて1科目を担当するにすぎない受験で点数を取れるようにするというミッションを担っているだけの単なるサービス業。生徒の人格的な事に触れる事もなく生活指導も一切しない。
212)教育とは自転車の補助輪のようなもの。なるべく早く外して自分で走っていけるようになれ。

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感想投稿日 : 2020年1月26日
読了日 : 2020年1月26日
本棚登録日 : 2020年1月26日

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